「一生モノ」という表現は、質の良い物に度々使われます。
無粋な事を言えば人生80年。成人してからで言えば60年でしょうか。
今回入荷の100年コート。つまりは一生モノをも凌ぐ、という事です。
SANYO
三陽格子トレンチコート
SIZE
参考定価106,000円+税
通称「100年コート」としてSANYOが始めたプロジェクト。
その名の通りではありますが、
100年着れる事を至上命題として作成されたモノです。
本当に100年着れるか、というのは使用頻度や使い方にも
左右されると思いますが、実際に100年着る為に、
もしくは100年コートと冠する為にどんな試行を凝らしたのか。
まずはモノヅクリの部分です。
一言で言うなれば、日本人が誇るクラフトマンシップの結晶。
最高の生地を選び、
最高のカッティング、パターン化を行い、
最高の縫製で紡ぎ、仕立て上げる。
ちなみに生地には世界でも最高クラスのエジプト綿、
縫製は国内最高水準の青森サンヨーソーイングとの事。
一切妥協を許さないその姿勢は、
昔ながらの「頑固な職人」のソレを感じますね。
勿論インポートのアイテムにもそれぞれの国色を感じる魅力は有るわけです。
イギリス、サビルロウのテーラリング。
イタリアの華やかさ、フランスの繊細さ。
アメリカントラディショナルの大味な強み。
日本は?と言われれば、それはこの「職人気質」なのでは、と。
岡山でジーンズを作るのも、
福井で眼鏡を作るのも、
そこに根差していた職人達の遺産。
話は逸れましたが、そんな職人大国日本が本気で100年モノを作るのだから、
そのクオリティはまさに妥協の入る余地の無い一級品なのです。
加えて100年使う上で重要なのが、
一世紀経過しても色褪せる事のない普遍的なデザインである事。
究極的にシンプルでありながら、そこに安直な「飽き」が来ない。
今回入荷のトレンチもまさにコレですね。
その上で既成品の多くのトレンチと一線を画すのはそのコダワリ。
ストームシールド、エポーレット、
ストローラッチ、インバーテッドプリーツなど、
トレンチコートってまさにコレなんですよね。
ファッション性やコスト面から簡素化されがちな本来のディティール。
ダブルボタンだからトレンチ、そんな事は決してなく、
「ホンモノのトレンチコートってこうでしょ!」という職人の声が聞こえるようで。
恐らくですが、2100年代にこのコートを着ていても、
何の違和感も無いと思うんです。
それ程に、絶対的なデザイン。
冒頭にも書きましたが、
「一生モノ」という表現は、質の良い物に度々使われます。
無粋な事を言えば人生80年。成人してからで言えば60年でしょうか。
100年コート。つまりは一生モノをも凌ぐ、という事です。
逆説的に言えば、一世代では終わらないわけです。
親から子へ。子から孫へ。
何世代にも渡って、まさに「世代を越えて」着ていく。
日々変わるファッショントレンドですが、
いつの時代も変わらない価値だってあります。
そんな100年コートを身に纏って、100年後の姿に思いを馳せてみては…。